RADIOISOTOPES
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原著
水中の過酸化水素を高速分解するためのカタラーゼ固定繊維とパラジウム担持繊維の作製
川島 青杉山 まい藤原 邦夫須郷 高信菊池 隆小出 富士夫狩野 久直河合(野間) 繁梅野 太輔斎藤 恭一
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2015 年 64 巻 8 号 p. 501-507

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抄録

6-ナイロン繊維にグラフト重合したポリマー鎖にカタラーゼ及びパラジウムを固定し,超純水中に含まれる過酸化水素(H2O2)を分解した。カタラーゼをポリジメチルアミノエチルメタクリレート鎖のジメチルアミノ基に吸着させた後,トランスグルタミナーゼを用いて架橋した。パラジウム錯イオンをアニオン交換基に結合させた後,ヒドラジンを用いて還元した。カタラーゼ及びパラジウムの固定密度は,それぞれ2.2×10-4及び0.54mmol/gとなった。カタラーゼ固定繊維は,空間速度400h-1まで水中の過酸化水素を定量的に分解した。一方,パラジウム繊維は,空間速度3000h-1でも水中のH2O2分解率は100%であった。

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