ダム湖(貯水池)の有光層において,植物プランクトン量の指標であるChl-aの増加と同時にヒドロキシルアミン(NH2OH)が高濃度に蓄積するという現象を発見した。そこで,植物プランクトンによるNH2OH産生の有無を調べるために,ダム湖から分離されたシアノバクテリアの単一無菌株を用い,培養による検討を行った。その結果,Chl-aの増加に伴うNH2OHの増加が確認され,シアノバクテリアによるNH2OHの生成が明らかになった。この結果より,夏のシアノバクテリアの優占時に有光層で検出されたNH2OHがシアノバクテリアに起因することが示唆された。