雑草研究
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ヒルガオ (Calystegia japonica Choisy) の乾物生産特性と根茎の成長
伏見 昭秀的場 和弘田村 良文
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キーワード: ヒルガオ, 根茎, 腋芽, 乾物生産
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1998 年 43 巻 4 号 p. 312-316

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抄録

ヒルガオの繁殖の実態を解明し, 生態的特性を考慮した防除技術を開発するため, 本草種の乾物生産特性と地下部の栄養繁殖器官である根茎の成長を調査した。
ヒルガオの乾物生産特性として次のことが明らかになった。ヒルガオの地上部の旺盛な生育は植え付けを行った4月中旬から6月中旬であり, 8月中旬頃には枯死が認められた。地下部の根茎の旺盛な生育は6月下旬頃から試験終了時の10月中旬まで行われた。6月中旬頃に主たる生育の部位は地上部から地下部の栄養繁殖器官の根茎に移行することが明らかになった。
ヒルガオの生育にともなう根茎の成長として根茎分枝の発生順位別本数, 乾物重および腋芽数の推移を調査し以下の結果を得た。6月中旬頃には1次分枝の発生は終了し, 2次分枝の発生が認められた。 8月中旬に根茎構造は4次分枝まで発達していたが1次分枝と2次分枝が乾物重と腋芽数, いずれも大きな割合を占めた。10月中旬の試験終了時には6次分枝の発生が観察された。腋芽数は試験期間中にポットあたり供試根茎の24個から2312個に増加した。

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