雑草研究
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ペンディメタリン分解菌による4種除草剤の分解
佐藤 姚子佐藤 守鈴木 隆之
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1990 年 35 巻 1 号 p. 68-73

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抄録

ジニトロアニリン系の畑地除草剤ペンディメタリンを分解する3種類の土壌分離細菌 (P-1, P-3およびP-e菌) を用いて実験を行い, 以下の結果を得た。
1. 非滅菌土壌区, 滅菌土壌区および滅菌土壌にP-3菌懸濁液を添加した区におけるペンディメタリンの分解を経時的にGC測定して比較した。その結果, 非滅菌土壌区ではペンディメタリンは経過日数とともに減衰し, その半減期は約55日であった。一方, 滅菌土壌区では経過日数に関係なく90%以上が残存した。滅菌土壌にP-3菌を添加した区では試験開始後20日迄は非滅菌土壌区よりも低い残存率を示したが, その後の分解は進まなかった。
2. ペンディメタリン分解菌による無機塩液体培地中でのトリフルラリン, ニトラリンおよびアラクロールの分解について調べた。その結果, トリフルラリンおよびニトラリンは各々3菌株により非常によく分解されたが, アラクロールはP-e菌でのみ, わずかに分解を示した。
3. トリフルラリンおよびニトラリンの主要な分解代謝物をGC-MS測定により検討した。トリフルラリンの分解代謝物は, ニトロ基の還元物2種およびイミダゾール化合物と推定した。またニトラリンの代謝物もニトロ基の還元物2種と推定した。

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