新規α-クロロアセトアニリド系化合物のタイヌビエなどの水田雑草に対する除草活性をガラス室内ポット試験により検定し, 構造変換に伴う除草活性の変動を解析することにより, 除草活性向上のための最適構造を検討した。
その結果, アミド窒素原子上の置換基としては, 2-チエニルメチル基および2-フリルメチル基などのアラルキル基が有効であることが判明した。さらに, チオフェン環の, 3位への置換基の導入は活性向上に有効であり, (3-メトキシ-2-チエニル) メチル基および (3-クロロ-2-チエニル) メチル基が移植イネに対する安全性の観点から最適と考えられた。一方, アミド原子上にれらの置換基を導入した場合, アニリン部分が2,6-ジアルキル置換体で高い活性を示した。また, 生育期の雑草に対する除草活性は, チオフェン環の3位の置換基がメトキシル基でアニリン部分が2,6-ジメチル置換体の場合に最も高かった。
即ち, 供試化合物中で最も高い除草活性を有する化合物としてα-クロロ-N-(3-メトキシ-2-チエニル) メチル-2,6-ジメチルアセトアニリド (試験番号: NSK-850) を選抜した。本化合物は移植水稲用除草剤としての適用が期待される。