雑草研究
Online ISSN : 1882-4757
Print ISSN : 0372-798X
ISSN-L : 0372-798X
筑後川下流域のクリーク雑草「チクゴスズメノヒエ」の生態と防除
第2報 2, 3の形態的特徴と生育特性
大隈 光善千蔵 昭二吉留 純一
著者情報
ジャーナル フリー

1983 年 28 巻 1 号 p. 25-30

詳細
抄録

1) キシュウスズメノヒエと対比して, チクゴスズメノヒエの形態的特徴及び生育特性を調査した。
2) チクゴスズメノヒエは, キシュウスズメノヒエに比べ, 葉色が濃く, ほふく茎が太く, また茎横断面の維管束数が多かった。とくに, クリークで生育した場合に, この差が著しかった。
3) クリークの水際に予め1/5,000aポットで育成した越冬茎を春先に植付けた場合, チクゴスズメノヒエでは3年後にはクリーク水面の被覆面積が約100m2にも達した。なお, この値はキシュウスズメノヒエの約6倍の生育量であった。
4) 両草種ともNH4-N濃度が高いほど生育が旺盛であった。P2O5については, NH4-N濃度を一定としたこともあり, 濃度による生育差が小さかった。
5) チクゴスズメノヒエは, キシュウスズメノヒエに比べ, pHや土壌水分の変動に対する適応性がやや小さかった。

著者関連情報
© 日本雑草学会
前の記事 次の記事
feedback
Top