雑草研究
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畑雑草の生育期における除草機の性能と利用について (第1報)
中 精一佐藤 清美
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1970 年 1970 巻 10 号 p. 43-49

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抄録

畑雑草の機械的防除技術を確立し, その利用限界を明確にするために, メヒシバの生育期における除草効果について検討した。
(1) 除草用爪は埋没, 引抜きおよび断根の作用を保持するが, ダブル・エッジ・ショベルは引抜きと埋没, シングル・エッジ・ショベルは埋没と引抜き, スイープは断根, スプリング・ツースは引抜きの主作用を保持する。
(2) メヒシバに対する作用は, 1~2葉期においては引抜き, 埋没, 断根作用が効果大であるが, 4~5葉期は断根作用が大である。
(3) メヒシバの1~2葉期においては, ダブル・エッジ・ショベル, シングル・エッジ・ショベル, スイープは爪の両側5~15cm以下において除草効果「大」であるが, 4~5葉期においてはスイープ以外の機種は効果が著しく小さい。したがって, 作業時期の限界は, スイープは4~5葉期においても作業可能であるが, 他の機種は1~2葉期と推察される。
(4) 除草効果「大」以上を保持する爪相互の間隔とねらいとする作業位置は, ダブル・エッジ・ショベルは20cm (畦間), シングル・エッジ・ショベルは左側10, 右側20cm (畦内), スイープは30cm (畦間) であるが, スプリング・ツースは明確でない。

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