2016 年 22 巻 1 号 p. 37-46
内観には、面接指導が原理的に必要はないと考える研究者がおり、それを検証するため、筆者自身は面接なしに集中内観を体験した。その結果、面接者の必要性が実感された。そのような研究の動機により、本研究では、内観者の視点による集中内観における面接者の存在意義を明らかにするのを目的とした。集中内観後に13名の内観者を対象にして半構造化面接を行い、内観者の語りをGTA(グラウンデッド・セオリー・アプローチ)で分析した。インタビューされたすべての内観者は面接者が必要であると述べ、その理由を6つのカテゴリーに分類した。同時に、そのカテゴリー間の関係性が示されることにより、面接者の存在は内観者の内観を促進することに貢献していると思われる。また、複数の面接者は内観者の心に負担をかける一方で、内観の遂行に意義があることが示唆された。