目的 ベンラファキシン(Venlafaxine)⑷と内観療法の併用がうつ病残留症状に対する治療効果の検討
方法 60例の患者にベンラファキシンを用いて6週間治療したあと、HAMD(Hamilton Depression Scale−17,HAMD−17)スコアは7≦HAMD-17<17となる。続いてそれらの対象をランダムに介入(n=30)と対照(n=30)の両群に分け、介入群にベンラファキシン+日常内観療法の治療を、対照群にベンラファキシンの治療を4週間施す。ベースライン(Baseline)と4週目最終日にHAMD−17、CGI(Clinical Global Impression)、LSR(Life Satisfaction Rating Scale)で治療効果を評価する。
結果 ベースラインでは介入群と対照群のHAMD−17、CGI、LSRスコアともに有意差(Significant Difference)がない(P>0.05)。4週目最終日において、介入群のHAMD−17の減点(reduced score)(6.30±3.37)ははるかに対照群のそれ(5.93±3.62)を上回り、有意差が示されている(P=0.01)。介入群のCGI-Sの減点(0.85±0.41)も対照群のそれ(0.56±0.49)を大きく上回り、有意差が見られる(P=0.004)。一方、4週間の治療を終え、介入群のLSR総スコアの増加分(3.04±0.87)は対照群のそれ(2.16±0.53)を超え、有意差がある(P=0.02)。そして、介入群の各LSR因子のスコア増加も対照群のそれより激しい結果になっている(P<0.05)。
結論 内観療法との併用はベンラファキシンだけの治療法に比べて、よりよく気分障害(うつ病発作の残留症状)を改善でき、患者の生活満足度の向上に促進できる。