2021 年 46 巻 4 号 p. 326-330
脊髄振盪は72時間以内に改善傾向となる一過性の麻痺もしくは感覚障害とされている.今回の2症例は,スポーツ中に頚部を伸展することで脊髄振盪を起こし,一過性の麻痺や感覚障害が出現したと考えられた.2症例ともtext neckであり,携帯電子機器の使用時の姿勢が関与していると考えられた.今後,小児へのスマートフォンの普及によりtext neckが増加することで,外傷による脊髄振盪の発症頻度が増加することが予想される.携帯電子機器使用時の姿勢や適正な使用時間について検討する必要がある.