2023 年 43 巻 1 号 p. 26-31
17歳,男性.高校野球部.外野手,右投げ右打ち.初診の3ヵ月前から腰痛を自覚していた.痛みの改善なく当院受診し両側進行期腰椎分離症の診断となり保存治療を行った.4ヵ月経過時点のMRIでの信号変化は改善傾向であり引き続き保存治療を勧めたが,本人の強い希望により練習再開となった.その後,痛みの増強があり競技継続困難となった.また,骨髄浮腫の増悪があり癒合が遷延していたため治療開始から8ヵ月でスクリュー固定による分離部修復術を行った.術後早期に腰痛は消失,術後2ヵ月で骨癒合が得られており,競技復帰可能だった.小皮膚切開の分離部修復術は早期に骨癒合が得られるため,両側進行期分離症例の競技復帰に有用である.