2022 年 3 巻 1 号 p. 36-43
目的:高齢心不全患者の訪問リハ利用期間と身体機能の関連を検討した.
方法:対象 は当院の訪問リハを利用した 65 歳以上の心不全患者 30 例とした.訪問リハ利用期間を中央値(608 日)で非長期利用群と長期利用群の 2 群に分類した.開始時と 180 日後の NYHA 心機能分類および握力の変化を比較した.
結果:非長期利用群は長期利用群に比べて,NYHA Ⅲ度の割合と過去1年間の入院回数が多かった.非長期利用群では握力が向上し NYHA Ⅲ度の割合が有意に減少した.また長期利用群では握力が有意に低下した.
結論:高齢心不全患者に対する訪問リハは,その利用期間によって身体機能と重症化予防への効果が異なることが示唆された.