周産期学シンポジウム抄録集
Online ISSN : 2759-033X
Print ISSN : 1342-0526
第41回
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序文
序 文
早川 昌弘
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p. 3

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抄録

 2023年1月13日(金),14日(土)に,第41回周産期学シンポジウムを名古屋市の名古屋国際会議場において開催しました。COVID-19感染拡大をうけて,ハイブリッド開催といたしました。現地参加とWEB参加の両方で約1,400名の参加登録があり,盛会に終えることができました。皆様には心より御礼申し上げます。

 今回のテーマは「周産期感染症への対応を再考する─これからの課題と対策─」でした。周産期医療では,感染症への対応は,避けて通ることはできません。また,2020年に起こった新型コロナウイルス感染症のパンデミックのもとでの周産期医療は大きな影響をうけました。その観点からは会員の先生方にお役にたつタイムリーなテーマでした。

 初日のプレコングレスでは,島根大学医学部附属病院医療安全管理部の深見達弥教授から「周産期医療における患者安全」,日本大学医学部小児科学系小児科学分野の伊藤嘉規准教授から「周産期感染症対策:先天性CMV感染症を中心に」というテーマでご講演いただきました。また,特別企画として専門医認定委員会・専門医試験委員会が共同で周産期専門医の「症例要約作成講座」を行い,2021年の症例要約の評価概観,低評価の症例要約,新評価基準とそれに基づく症例要約作成について解説いただきました。

 2日目のシンポジウムでは,午前の「新生児領域における感染症の課題と対策」で,最初に周産期学シンポジウム運営委員会の飛彈麻里子先生から周産期感染症の全国調査報告(新生児)の結果が報告されました。その後に,小泉亜矢先生から「早産の母児間における薬剤耐性グラム陰性菌の垂直伝播に関する調査」,福田沙矢香先生から「早産,極低出生体重児における早発型感染症 周産期因子,特に出生時の胃液グラム染色からの予測」,堀田将志先生から「新生児集中治療室での早産児における遅発型感染症 監視培養の有用性についての検討」が発表されました。

 午後の「産科領域における感染症の課題と対策」では,周産期学シンポジウム運営委員会の宮下進先生から周産期感染症の全国調査報告(母体・胎児)が報告され,楠元和美先生が「出生コホートによる風疹ウイルス抗体価の違い 先天性風疹症候群を予防するために」,鳥谷部邦明先生が「三重県での妊婦サイトメガロウイルス抗体スクリーニングと先天性CMV感染児の検索」,出口雅士先生が「日本におけるCOVID-19妊婦の現状~妊婦レジストリの解析結果」,羅ことい先生が「妊婦および臍帯静脈血における百日咳菌抗体保有率の評価~妊娠前・妊娠中のDTapワクチン導入にむけて~」について発表されました。

 スポンサードセミナーは,アフタヌーンセミナーで松岡隆先生が「超音波検査の将来 AIとの共存はどうあるべきか」,モーニングセミナーで古野憲司先生が「RSウイルス感染症の重症化からどうやって子どもを守るか」,ランチョンセミナーにて細野茂春先生から「ヘルメット矯正治療から見えてきた頭蓋変形予防の重要性」,三輪田俊介先生から「乳児の頭蓋変形に対する新しい小児科診療」をご講演いただきました。

 総合討論では,それぞれの感染症に対する対応などが建設的に議論されて,よい成果を作り上げることができました。また,ハイブリッドであったため,診療業務やご家庭のご都合で現地参加が難しい先生方も参加していただけたと思います。

 今回の成果がこれからの周産期医療に寄与できることを期待しています。また,あらためて周産期学シンポジウム運営委員会委員の先生方,事務局の方々,会員の先生方に御礼を申し上げます。

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© 2023 日本周産期・新生児医学会
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