主催: 一般社団法人日本周産期・新生児医学会
会議名: 周産期学シンポジウム:母児の予後改善を目指した合併症妊娠の管理
回次: 38
開催地: 静岡県
開催日: 2020/01/31 - 2020/02/01
p. 61-66
目的
てんかん女性の妊娠・出産・育児には注意すべき点がいくつか存在し,妊娠前から準備しておくことが望ましい。『てんかん診療ガイドライン2018』(日本神経学会から発表)にも「てんかんと女性」といった章があり,「女性のてんかん患者には,ライフサイクルを考慮した包括的な妊娠・出産についてのカウンセリングをすべきで」「可能な限り計画的な妊娠・出産を勧める」と記載されている1)。しかしわれわれ産科医は臨床の現場で,妊娠判明後の服薬自己中断例やてんかんがあることを産科医に申告しない女性に出会うことがあり,てんかん女性に適切に情報が伝わっていないケースが存在すると思われる。さらに,てんかん女性自身がどのような形式で,どういった内容の情報提供を望んでいるか,どの程度自身の疾患について知識があるか,といった点に関する海外の報告は多数あるが,わが国での調査はない2〜4)。
そこで,本研究では,てんかん女性への妊娠・出産に関する情報提供についてその実態を把握すること,そこから問題点を抽出し解決策を提案することを目的とした。