主催: 一般社団法人日本周産期・新生児医学会
会議名: 周産期学シンポジウム:成熟児のasphyxiaとcerebral palsy
回次: 31
開催地: 大阪府
開催日: 2013/01/25 - 2013/01/26
p. 83-86
周産期低酸素性虚血性脳症(HIE)は,依然として先進国においても出生1,000に対して2〜3の発症があり,予後不良な症例も多く,周産期医療において重要な疾患である。HIEは受傷の時間,深度により異なる臨床症状,障害部位となることがいわれており,そのさまざまな臨床像,病態を理解することは,HIE児の予後向上には欠かせない。
動脈支配境界領域(watershed領域)に病変をもつHIEであるparasagittal cerebral injury(PSI)の臨床像に関しての報告は少ない。われわれは,PSI児では,出生時の状態,蘇生の反応は比較的良好であるにもかかわらず,遅発性,進行性の症状を呈する,という他のHIEとは違う特徴的な臨床像を示すことを報告してきた1〜3)。本シンポジウムにおいて,その特徴的なPSIの臨床像を示すとともに,病態に関しても考察した。