日本周産期・新生児医学会雑誌
Online ISSN : 2435-4996
Print ISSN : 1348-964X
原著
初回監視培養の採取日を日齢0から日齢3に変更したときの保菌率の検討
林 一鷹中田 裕生土本 啓嗣金澤 亜錦
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2022 年 58 巻 2 号 p. 233-237

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抄録

 当院では初回監視培養を日齢0に行っていたが,日齢0では有意菌の検出が少ないと考えられたため,2019年から初回監視培養を日齢3に変更した.2015年1月から2020年12月までの6年間に当院NICUに入院した児を対象とし後方視的に検討した.院外出生児や先天性感染を疑う児は対象から除外した.日齢0は667例中151例(23%),日齢3は292例中263例(90%)で細菌が検出され,日齢3で有意に多かったが,経腟分娩で出生した児に関しては両群間で有意差は認めなかった.MRSAは日齢0では検出されず日齢3では9例検出された.ESBL産生E.coliは日齢0で9例,日齢3で5例検出された.9例の早発型感染症を認め,1例が血液培養陽性で,日齢0の監視培養から同種細菌が検出された.保菌状況の確認には日齢3での検査が有用だが,早発型感染症や母児感染の視点からは日齢0での検査も必要である.

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© 2022 日本周産期・新生児医学会
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