2023 年 14 巻 2 号 p. 101-106
はじめに:Bertolotti症候群における肥大した腰椎横突起部分切除(偽関節切除術)を施行するにあたり,ナビゲーションシステムが有効であった2例を報告する.術中CT(Computed tomography)ナビゲーション下に偽関節を切除した後,再度CTを撮像し切除範囲が適切であることを確認して,手術を終了した.
症例1:15歳女性,2年来の右腰部痛.肥大した右第6腰椎横突起と仙骨に関節を形成していた.ナビゲーション下偽関節切除術を施行し,VAS(Visual Analogue Scale)は90 mmが30 mmに改善した.
症例2:21歳女性,2年来の左腰部痛.左第5腰椎横突起と仙骨に関節形成を認め,顕微鏡下L5横突起部分切除を施行した.腰痛VAS 80 mmから40 mmに改善したが,腰痛が残存した.局所ブロック注射が著効したため切除不足と判断し,ナビゲーション下に,残存する偽関節横突起を切除したところ,術後4週でVAS 20 mmに改善した.
結語:肥大した横突起はその特異な形態と視認性不良から切除不足となり得る.適切な偽関節切除にはナビゲーションが有効であった.