2015 年 333 巻 p. 81-
本研究のねらいは、道徳の教科化への方向性が示されている中、道徳の時間における具体的な評価方法を示し実践を通して検証し、今後の評価のあり方の一助とすることである。まず、評価に際しての留意点として、ねらいの明確化と具体化することや自己評価を取り入れることの必要性を述べた。次に、具体的な評価方法としてチェックリストによる評価法、パフォーマンス評価、面接による評価法、ポートフォリオ評価の4事例を示した。この中のパフォーマンス評価では、ルーブリックを作成し活用することで生徒の記述文を評価して、道徳的価値の自覚の度合を可視化できることを示した。そして、これらの評価方法にはそれぞれの特性があり、一人一人の道徳の時間で学んだことを見取るためには相互補完的に組合せ評価することが重要であることを指摘した。また、長期的なスパンで生徒の道徳的成長を見取るにはポートフォリオ評価が有効であることも述べた。