2020 年 37 巻 p. 81-85
自動車車体のマルチマテリアル化を実現するため,摩擦撹拌点接合を応用してアルミニウムと樹脂を接合する研究を進めている。本報では強度特性に及ぼすアルミニウム表面処理の影響をせん断引張試験,疲労試験,恒温恒湿試験,冷熱衝撃試験を行い調査した。化学結合力向上及びアンカー効果付与を主目的としたアルミニウム表面処理2種について比較評価を実施した結果,2種ともに無処理材と比較して強度特性や信頼性は向上し,バラツキも低減する傾向を示した。樹脂母材由来の接着性は材料によりさまざまであるが,本接合技術を使用する場合はアルミニウム表面処理と組み合わせて使用することでロバスト性の向上が可能である。