2018 年 6 巻 p. 32-37
当院では2016年8月から臨床倫理コンサルテーションの活動を開始した。今回,2017年8月までの13カ月の間に依頼のあった25件の対応をまとめた。依頼方法は電子カルテが52%,PHSまたは口頭のみの依頼44%であった。依頼者の業種は医師が68%,看護師が24%,医療ソーシャルワーカーが8%であった。初回の返答までの日数は,同日が76%,96%が3日以内に返答した。返答方法は,最終的に電子カルテに記載した症例が88%,カンファレンス記録が8%であった。36%の症例では検討に4分割表を使用し,20%の症例では病棟カンファレンスを開催した。最終的な助言を支持した倫理原則は,自律尊重原則40%,善行原則28%,無危害原則16%,公正・正義原則16%であった。立ち上げ時に意図した “できるだけ早く対応すること” は達成できていたが,“依頼がしやすいこと” はいまだ検討の余地があり,“できるだけ実効性のある助言や支援を行うこと” は今後の課題であると考えられた。