2011 年 2 巻 1 号 p. 118-121
症例は78歳男性。下部胆管癌による閉塞性黄疸に対し,endoscopic retrograde cholangiopancreatography(ERCP)を施行。検査後重症急性膵炎を発症。急性腎傷害,急性呼吸不全,代謝性脳症に関して当科紹介。Volume filtrationおよびPMMA膜の吸着性能に期待して,連日3日間sustained low-efficiency dialysis with filtration(SLED-f)を実施。ダイアライザーは東レ社製PMMA膜BG-2.1PQ(2.1m2)を使用し,施行条件は血液流量(QB)100mL/min,透析液流量(QD)300mL/min,濾過流量(QF)1,200mL/h,施行時間6hとした。ERCP後第33病日には血液透析から離脱した。SLED-f前後でinterleukin-6の測定を行ったが,明らかな低下は認められなかった。本法により循環動態に与える影響を最小限にしながら良好な溶質・水分の除去ができ,さらに血液濾過透析間の時間を利用して各種画像検査を施行することが可能であった。