日本急性血液浄化学会雑誌
Online ISSN : 2434-219X
Print ISSN : 2185-1085
特別報告
血漿分離器血漿ポートの形状変更による血液浄化器取り違え事故対策(最終報告)
塚本 達雄宮田 真紀子平田 憲子細井 信幸松村 由美秋葉 隆
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2020 年 11 巻 1 号 p. 3-8

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抄録

2011年に発生した血液浄化器取り違えによる患者死亡事例を受けて,血漿分離器血漿ポートをスリップイン方式(ISO8637)からルアーロック方式(ISO80369-7)への変更を血漿分離器と血液ろ過器用血液回路の誤接続再発防止対策として産官学にて取り組んだ。この転換のため旧型血漿分離器と新型血液回路接続のための中間コネクタの限定的使用も認められた(2020年8月末販売終了)。新型血漿分離器は2019年9月から販売開始,旧型血漿分離器および血液回路は2020年2月で販売終了となった。本プロジェクトは厚生労働省医薬・生活衛生局医薬安全対策課の指導下で関連学会とMTJAPAN血液浄化部会が協力して進められた。2020年1月中央社会保険医療協議会で安定供給の観点から償還価格が見直され3月に改定価格が告示された。これは産官学で取り組んだ安全対策への評価として今後の製品開発にも重要な視点と考えられる。

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© 2020, 特定非営利活動法人 日本急性血液浄化学会
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