日本急性血液浄化学会雑誌
Online ISSN : 2434-219X
Print ISSN : 2185-1085
総説
急性血液浄化療法における薬物療法
―循環作動薬―
谷口 巧
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2020 年 11 巻 1 号 p. 29-32

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抄録

敗血症をはじめ様々な原因で引き起こされたショック状態においてアドレナリンやノルアドレナリンといった循環作動薬の投与は必須であり,病態と薬剤の種類により微量から大量まで様々な量で投与しなければならない。その重症患者の中には慢性腎不全により血液透析を行っていたり,また急性腎障害や慢性腎障害の急性増悪を生じ,血液浄化を余儀なくされる患者も存在する。重篤な腎障害,透析患者において循環作動薬を使用する際には,1)薬物動態を把握しておくこと,2)可能な限り肝代謝性薬物を選択すること,3)やむを得ず腎代謝性薬物を使用する際には投与量の調整を行い,定期的な血中濃度と心電図検査を行うことが必要である。

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© 2020, 特定非営利活動法人 日本急性血液浄化学会
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