2010 年 24 巻 1 号 p. 151-154
症例は5歳,男児.3歳時の冬から寒冷部位に蕁麻疹を発症した.症状が増悪傾向となり当科を受診した.寒冷刺激試験は陽性で,他の所見を認めず,本態性局所寒冷蕁麻疹と診断した.寒冷刺激試験で血漿ヒスタミンを経時的に測定したところ,著明な上昇を認めた.さらにヒスタミンH1受容体拮抗薬により症状の軽快を認めたことから,本症例ではヒスタミンの関与が示唆された.小児例に関する報告は稀少であるので報告した.今後症例の蓄積とともに,ヒスタミンを含む化学伝達物質の更なる検討が必要であると考えられた.