日本原子力学会誌ATOMOΣ
Online ISSN : 2433-7285
Print ISSN : 1882-2606
解説
モンテカルロ法による医療施設設計および照射野線量評価の現状と課題
桜井 淳熊田 博明佐藤 達彦田山 隆一松藤 成弘
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2007 年 49 巻 11-12 号 p. 750-754

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抄録

 癌治療では放射線照射が効果を上げている。そこで,医療モンテカルロ法の現状と課題を概観した。採用されているモンテカルロコードは,MCNP,MCNPX,NMTC/JAERI+MCNP,PHITSである。特に,JRR-4に設置されたホウ素中性子捕捉療法施設および治療計画について詳述し,陽子加速器施設設計および重イオン照射野線量評価(「医療モンテカルロ法」と略,医療分野では照射場でなく照射野と呼ぶ)についても現状と課題を整理した。モンテカルロコードには,医療モンテカルロ法に必要な基本的機能は整っているものの,計算時間が膨大になり,特に,荷電粒子の輸送計算においては,超並列計算システムの構築などを実現し,数桁の高速化を図る必要がある。

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© 2007 一般社団法人 日本原子力学会
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