日本原子力学会誌
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解説
原発論争
コミュニケーションの視点からみた推進, 反対派とメディアのふるまい
佐田 務
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2006 年 48 巻 10 号 p. 753-758

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抄録

 原子力発電の是非をめぐる問題が争点となった場合, 推進, 反対両派やマスメディアは一般の国民に対してさまざまな主張や介入を行う。推進派のそれはPAと呼ばれており, 立地点においては安全性をめぐる説得と経済誘導とが主となっている。また反対派は, 推進側の能力や公正さに疑問を投げかける示威をとることが多い。さらにマスメディアは, 紙面や放映時間が限られているために, 原発については非日常的な事故やトラブルだけを報道しがちである。しかし一般の人々が本当に知りたがっているのは, 原発に関わるいい面も悪い面も含めた全貌を指し示すことに十分な努力と誠意とが払われた情報にほかならない。本稿では, 推進, 反対両派とマスメディア, 一般の国民の4者がおりなす相互過程を, コミュニケーションの視点から分析する。

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© 2006 一般社団法人 日本原子力学会
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