教育医学
Online ISSN : 2434-9127
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老齢前期マウスのマクロファージ機能に及ぼす自発走運動の影響
杉浦 春雄西田 弘之Seyed Mohammad Mirbod
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ジャーナル オープンアクセス

2005 年 51 巻 2 号 p. 168-176

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抄録

本研究は,老齢前期マウスの腹腔マクロファージ機能,特にグルコース消費能,ライソゾーム酵素(酸性ファスファターゼ活性:APH,β-グルクロニダーゼ活性:GLU),細胞質酵素(乳酸脱水素酵素活性:LDH)およびリポ多糖(LPS)刺激に対する一酸化窒素(NO)産生能とインターロイキン-1β(IL-1β)産生能に及ぼす自発走運動の影響について検討した。BALB/c系,12ヶ月齢,雄マウスを運動群と対照群との2群に区分し,実験を行った。運動は,回転ケージを用いた自由運動を週3日,8週間実施した。運動群の腹腔マクロファージのグルコース消費能および細胞内酵素のGLU活性とLDH活性は,対照群と比較して高い値を示し有意差が認められた。対照群と比較して,運動群のLPS刺激に対するマクロファージのNO産生量およびIL-1β産生量は有意に高い値を示した。以上の結果から,自発走運動は,老齢前期マウスのマクロファージ機能向上に寄与する可能性が考えられた。

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2005 日本教育医学会
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