日本女性骨盤底医学会誌
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第3回ペッサリー講習会 受講者へのアンケート報告
中田 真木野島 俊二
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2022 年 18 巻 1 号 p. 6-10

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抄録

人口の高齢化を踏まえ骨盤臓器脱のペッサリー管理は見直されており、最近では先進国で看護師らによるペッサリーの自己着脱指導が行われている。日本女性骨盤底医学会の第3 回ペッサリー講習会(宇都宮市、2021 年7 月、ハイブリッド開催)の後に、ペッサリー講習会運営委員会は受講者にウェブ質問表を提示して調査を行った。質問は、受講者のペッサリー管理の経験、講習内容の評価、開催に関する要望などであった。

受講者52 人中33 人が回答し、大半の人は勤め先でペッサリー管理を行うか同僚が行うかしていた(29 人)。開催について情報を得たルートは、学術集会の公式サイト/プログラムがほとんどだった(29 人)。講義内容については、31 人はおおよそ理解できた、29 人はおおむね興味を持って聴講できた、と回答した。講習会の今後のありようについては、ほとんどの人が今後もウェブ配信の継続を希望した(30 人)。一部の人は、学術集会に参加しない人もペッサリー講習会を受講できるとよいと回答した(12 人)。

ペッサリー講習会の運営実態は、受講者から一定の肯定的評価を受けている。しかしながら、ペッサリーの使用をサポートする医療スタッフを増やすためには、教育コースを開催するだけでは不十分で、ペッサリー管理と自己着脱を学ぶ意義を伝える広報活動に力を入れる必要がある。中でも、日本各地で看護師や助産師が十分な量の自己着脱指導を行うためには、看護師や助産師が障害なく参加できるようにペッサリー講習会の開催を調整することが急務である。

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