本論文では,はりに作用する力のつり合い学習のためのロードセル駆動型丸棒状握力計測システム教材を開発した。本システムは,握力計測デバイス,ロードセル変換器,A/D 変換器,PC で構成した。握力計測デバイスは,上部と下部のグリップシャフトに分かれるアルミニウム丸棒の形状とロードセルの直下方向に上部グリップシャフトを平行移動させる内部構造を持たせた。握力計測デバイスに加わる力は,2個のロードセルを用いて,上部グリップシャフトの曲げ変形を受けたときの反力で計測した。さらに,技術科・工業科の教員を目指す大学生を対象とした授業実践を通して,本システムを評価した。調査の結果,本システムは,構造に対する興味・関心を持って,体験的にはりに作用する力のつり合いの支点反力の計算結果を確認できるとともに,機械設計と電気設計の連携の観点から実際的な設計技術の知識・理解を深める有効な教材であることを示した。