東京家政学院大学紀要
Online ISSN : 2434-7922
Print ISSN : 2186-1951
保育現場における幼児の場への意味づけの関連要因
—「好きな場所」を中心として—
中田 範子
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研究報告書・技術報告書 オープンアクセス

2022 年 62 巻 p. 35-48

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抄録

本研究は、園環境のうちの特に場を子どもの視点で捉え直し、子どもが「好きな場所」とする場の特性やその理由等を問うことで、子どもが場を意味づける際の関連要因や「好きな場所」と意味づける構成要素を明らかにすることが目的である。研究協力者3~5歳児 81名に、園内の好きな場所、よく遊ぶ場所、秘密の場所を案内してもらい、写真投影法により得られた画像データ 396枚とインタビューによる言語データから、「好きな場所」を意味づける関連要因、場への意味づけの表現方法の二点から質的に分析した。その結果、幼児が「好きな場所」と意味づける 11の概念が抽出された。「好ましい」と感じる人や物の存在、環境のつくりや体感したことの好ましさ、好ましい情動体験が蓄積し、そうした体験に埋め込まれた形で意味が生成され、保育環境が、かけがえのない固有の「生きられる空間」となると考察する。

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© 2022 本論文著者

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