2015 年 28 巻 p. 11-21
絶滅危惧種に指定されている日本の野生のミナミメダカOryzias latipesの保全に役立てるため,卵の産み付け場所の環境条件の特定を目的として,ビオトープ水域の調査を行った.産み付け卵は,流速が1cm/秒以下の浅い水路の岸辺に多く認められた.休耕田にも産み付け卵は確認されたが,水深の深い水路や池にはほとんど確認されなかった.卵が最も頻繁に産み付けられていた基質は,淡水性の藻類であるアオミドロ類であった.水面から卵の産み付け場所までの深さは,0から15cm程度と,浅いところに産み付け卵が多く確認された.