都市地理学
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調査報告
チューリッヒの市街地再開発
―西地区 イム・ヴィアドゥクトIm Viadukt の場合―
香川 貴志
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2013 年 9 巻 p. 88-95

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抄録

スイスのチューリッヒ中央駅から西北西へ約1.5km の位置にあるイム・ヴィアドゥクト地区は,古い鉄道高架橋やその周辺を再開発して2010 年に第1 期計画が竣工し,現在も整備が続けられている.再開発の手法は,歴史を重視して地域のアイデンティティを維持するという欧州では普遍的なものである.現在の問題点として,中高年向けの店舗が少ない,とくに地区内の南部において来街者が多くないなどがあげられるが,おおむねバリアフリーやユニバーサルデザインは整っている.店舗の種類を多様化させ,商業地の回遊性を高めることができれば,この地区は成熟社会におけるモデル地区の一つとして一層の注目を浴びるだろう.

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© 2013 日本都市地理学会
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