日本保健医療福祉連携教育学会学術誌・保健医療福祉連携
Online ISSN : 2434-4842
Print ISSN : 1883-6380
末期がん患者の退院調整と在宅ケアにおけるフォーマルとインフォーマルサービスとの連携により実現したシームレスケア
横山 美智子
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2012 年 5 巻 1 号 p. 28-34

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抄録

【目的】急性期病院における末期がん患者の在宅ターミナルケアへのスムーズな移行調整と在宅ケアにおけるフォーマルおよびインフォーマルなサービスの相補的役割を検討する。 【方法】一つの事例を通して,急性期病院と在宅ケアにおける担当者会議,各専門職と家族等における役割とその効果について経過記録を検討した。 【結果】担当者会議の開催により,主治医の積極的な医学的助言が得られ,末期がん患者の在宅ケアが実現した。短期間ではあったが,複数の専門職種や家族によるフォーマルとインフォーマルのサービスによりシームレスケアが実現できた。家族や友人による介護時に様々な心理的葛藤と共に本心から感謝の意を表した。患者は逝去までの約1か月間,在宅ケアが受けられ,その間,種々の心的変化を示した。 【結論】後方支援又は後方連携として,在宅ケアを地域―医療―福祉連携のリンケージと,フォーマルとインフォーマルのサービスとを同等に位置付けることが必要である。

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© 2012 日本保健医療福祉連携教育学会
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