日本保健医療福祉連携教育学会学術誌・保健医療福祉連携
Online ISSN : 2434-4842
Print ISSN : 1883-6380
介護サービス事業所職員の高齢者虐待防止法に対する理解と高齢者虐待対応の認識
田中 結香 望月 宗一郎
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2012 年 5 巻 1 号 p. 2-10

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抄録

【目的】高齢者虐待防止推進には,正しい知識の普及と保健医療福祉専門職の連携が不可欠である。本研究は,介護サービス事業所職員の高齢者虐待防止法に対する理解と高齢者虐待対応の認識を明らかにすることを目的とした。 【方法】介護サービス事業所職員220名を対象として,無記名自記式質問紙留め置き調査を行った。質問回答後は,回答者本人が封をした封筒を,回答者・非回答者を特定できないよう回収した。 【結果】回収数195人(88.6%)のうち, 190人(86.4%)を有効回答として扱い,分析を行った。高齢者虐待防止法を学ぶ機会があった者は,機会のない者に比べ「虐待に対する理解」が有意に高かった。また,管理職はその他の職員に比べ,「高齢者虐待を学ぶ機会」が有意に多かった。 【結論】高齢者虐待防止法について学ぶ機会のあった者は,虐待の種別についての理解もできている。今後は,管理者に限らず全職員が研修を受講できるような体制を整備していく必要があると考えられた。

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