LD研究
Online ISSN : 2434-4907
Print ISSN : 1346-5716
ひらがな単語の語彙性判断課題による読み障害児の音読困難の評価
2文字単語課題と4文字単語課題に基づく検討
増田 純子大山 帆子銘苅 実土中 知華穂小池 敏英
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ジャーナル オープンアクセス

2018 年 27 巻 3 号 p. 340-353

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抄録

本研究は,音読困難評価における語彙性判断課題の有効性について検討した。2文字単語と4文字単語から構成される2種のひらがな語彙性判断課題を用いた。対象者は1~6年生197名とLD児50名であった。読み障害の同定のために,稲垣(2012)の課題を用いた。有意味語と無意味語に対する音読潜時が検討された。説明変数を各語彙性判断課題の標準化得点,目的変数を読み障害の生起としてROC分析を行った。各課題の低成績の基準としてカットオフ値を用いた。4文字単語の語彙性判断課題でのみ低成績を示したタイプBの子どもは2文字単語と3文字単語の音読潜時について,定型発達児と同じパターンを示した。彼らは,5文字単語に対して,読み障害児に特徴的な音読潜時のパターンを示した。タイプBの子どもは長いひらがな単語の読み困難を持つと考えられるため,本研究の方法は,単語の長さに基づいて,読み困難を判別する上で,効果的であることが示された

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© 2018 一般社団法人 日本LD学会
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