作業療法
Online ISSN : 2434-4419
Print ISSN : 0289-4920
研究論文
脳卒中後遺症者が麻痺側上肢の不使用に至るプロセス
─壮年期あるいは中年期に脳卒中を発症した人の場合─
森井 展子大塚 栄子吉野 眞理子
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キーワード: 脳卒中, 上肢, 質的研究, 面接
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2020 年 39 巻 1 号 p. 70-78

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抄録

壮年期あるいは中年期に脳卒中を発症した人(以下,壮・中年期脳卒中発症者)が麻痺側上肢の不使用に至るプロセスを,その語りから明らかにすることを目的とし,麻痺側上肢の不使用に至った壮・中年期脳卒中発症者8名の語りを修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチに準拠し質的に分析した.分析から20概念,4サブカテゴリー,4カテゴリーが生成され,壮・中年期脳卒中発症者が麻痺側上肢の不使用に至るプロセスは,周囲の人との社会的相互作用の中で,【発症前との比較】を行いながら,非麻痺側上肢を用いて【役割を担える自分の回復】に成功する一方,麻痺側上肢に対し【まだ使えない手という認識の深まり】を促進するものであると示された.

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© 2020 一般社団法人日本作業療法士協会
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