2013 年 14 巻 1 号 p. 43-52
ユーザビリティテストの観察記録を効率よく行うために,観察記録に対する要求事項を調査で明らかにし,その要求に沿った記録方法を提案した.方法として,ソフトウェアでPC 画面上に自由に配置できるアイコンに観察記録に必要な文字を割り当て,観察者がそのアイコンをクリックすると,割り当てた文字が観察記録として時刻と共に直ちにPC に記録できるようにした.また,観察記録内容がユーザビリティテストの映像と連携できるようにした.この提案を実装した行動観察記録ソフトウェアOBSERVANT EYE を開発し,検証実験を行った.従来の手書きの方法に比べ,評価対象の問題点の数が1.6 倍多く抽出され,ハイライトビデオの作成時間も半分になり,動画を活用した観察記録時間が約1/3 に短縮でき,ユーザビリティテストの種類を問わず,提案した手法を用いることで,効率よく観察記録できることが確認された.