2024 年 19 巻 1 号 p. 69-77
微地形表現図を航空レーザ(LP)測量データより作成する方法のひとつとして,ウェーブレット解析図がある。本検討では,落石発生源となる地物(露岩・転石・小崖)の抽出を目的とし,ウェーブレット解析条件であるスケールファクター(s)の設定と,ウェーブレット係数の可視化方法について検討を行った。検討には航測 LP データより作成したグリッドサイズ 0.5m のグリッドデータと踏査結果を用いた。地物の比高差1.0m~3.0m と正のウェーブレット係数には相関関係があることがわかった。この結果と模擬地形に対する検討結果を用いて,ウェーブレット係数の可視化方法を提案した。s =1.0 とs =0.5 とした検討を行い,落石発生源となる地物の抽出にs =0.5 が有用であることを示した。