論文ID: JJMU.R.245
超音波診断は古くから広い臨床領域で応用されているが,生体中の実際の波動伝搬を物理的情報として取得するためのハードウェア的な制限があり,描画されるエコー像には生体組織の複雑性も影響を与えることから,理論的な考えと診断指標との間に乖離が生じてしまうことがある.その問題を打開するために,定量超音波や組織性状診断の研究が推進され,近年では複数の技術が実用化されている.また,超音波と他の医用画像モダリティを融合する技術の実用も進んでおり,今後はマルチモダリティでの診断および治療支援技術の活性化が進むと想定される.