超音波医学
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症例報告
壁肥厚を認めたcollagenous colitisの1例
神野 大輔讃岐 英子小坂 祐未児玉 美千世杉山 真一郎谷本 達郎吉良 臣介小林 博文隅井 浩治角田 幸信
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2015 年 42 巻 6 号 p. 719-724

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抄録

症例は70代女性.下腹部違和感のため当院を受診した.下痢の訴えはなかった.胃食道逆流症のため3ヵ月前からランソプラゾールを継続内服していた.腹部CTでS状結腸の壁肥厚を認めた.腹部超音波検査ではS状結腸の軽度の壁肥厚を認めた.粘膜下層のエコーレベルはやや低下し,粘膜層や固有筋層との境界は不明瞭だった.大腸内腔と粘膜面の境界エコーが明瞭に同定できた.大腸内視鏡ではS状結腸に約5 cmにわたる縦走潰瘍を認めた.潰瘍は浅く,潰瘍周囲に軽度の粘膜浮腫を認めたが,その他の粘膜には異常を認めなかった.潰瘍近傍の粘膜からの生検で,上皮直下のcollagen bandの沈着,粘膜固有層内の慢性炎症細胞浸潤を認め,collagenous colitisと診断した.ランソプラゾールの中止により症状の消失を認め,腹部超音波検査を再検したところ,S状結腸の壁肥厚は消失していた.

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© 2015 一般社団法人 日本超音波医学会
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