2023 年 36 巻 3 号 p. 182-193
近年公共サービスの担い手として市民団体が注目されており,河川管理においても河川管理者との連携が進んでいる.しかし,団体の設立から時間が経過し,活動継続に課題を抱える市民団体も見受けられるようになった.そこで河川に関わる活動を行う市民団体を対象に,市民団体の活動を定量的に評価する「活動量」および既往研究群から抽出した継続要因についてのアンケート調査を実施し,得られた64団体の回答を用いて活動量の変化に影響する継続要因の推定を目的として重回帰分析および相関分析,継続要因間の関係の推定を目的として偏相関ネットワークによる分析を行った.市民団体の活動継続と活動量の変化量には一定の関係が存在するとして,これらの結果から河川市民団体の継続要因について考察した.