日本ファジィ学会誌
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遺伝的アルゴリズムと超円錐形メンバーシップ関数によるファジィルール自動生成手法の提案
井上 博行亀井 且有井上 和夫
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1996 年 8 巻 6 号 p. 1104-1115

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抄録

ファジィ推論は, 人間の知識を表現できるものとして, ファジィ制御をはじめ様々な分野に応用されてきた.このファジィ推論は, エキスパートの知識をファジィif-thenルールで記述する.しかし, メンバーシップ関数や推論ルールのチューニング問題が存在する.また, 入出力数が多い複雑なシステムになると, その知識を獲得するのも困難になる.そこで, ファジィルールの自動チューニング, 自動生成を行う研究が盛んに行われてきた.本論文では, 遺伝的アルゴリズム(GA)による機械学習の枠組みよりファジィif-thenルールを自動生成する手法を提案する.そこで, 人間の感覚に近いルールを獲得するため, ファジィルールの形状と位置にある程度の柔軟性を持たせる.すなわち, 提案法では各ルールの前件部と後件部を, それぞれ超円錐形メンバーシップ関数で表す.そして, 前件部と後件部のメンバーシップ関数の配置とその半径をGAで決定する.また, それぞれのルール発火の許否を決定する情報を遺伝情報として埋め込み, 忘却的考え方を用いて不必要なルールの削除を行う.本手法の応用例として, 自動車の追従運転とトレーラ・トラックの後退運転のファジィ制御に適用する.

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© 1996 日本知能情報ファジィ学会
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