氷蓄熱用球状カプセル充てん層の蓄・放熱特性を向上させるには,充てん層内の不均一流動による局所熱伝達分布をも考慮して,流路構造やカプセル充てん構造などを設計する必要がある.磁気共鳴イメージング(MRI)装置を氷蓄熱用球状カプセル充てん層の凍結観測に用いて充てん層内部の空隙構造や流動場の計測だけでなく,カプセル内の水の凍結速度の計測からカプセル表面での熱流束分布を算出することを試みた.本研究では,熱流束計測の定量性を確認するために,一様流中でのカプセル内の凍結挙動を計測し,カプセル内側壁面から半径方向に進行する氷の凍結速度からカプセル表面での局所熱流束分布を算出した.そして,この熱流束計測法をカプセル充てん層内の伝熱計測に適用し,充てん層内での不均一流動と局所熱流束分布の計測を行ない,この結果を基にして充てん層の熱通過率の算出と,充てん層内の吹き抜け領域での温度効率の評価を行なった.