日本老年医学会雑誌
Print ISSN : 0300-9173
高年者のストレス対応
西風 脩古屋 悦子
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2000 年 37 巻 1 号 p. 68-73

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抄録

生物は無生物と異なり, 摩耗 (wear and tear) と修復 (repair and recovery) の動的平衡の下に生を営むものと考えられ, 17-OHCSを摩耗関連物質 (H. Selye) と捉え, 他に修復関連物質をもとめ, 17-Ketosteroid-硫酸 (17-KS-S) にそれを見出した. 17-KS-Sは加齢 (老化), 疾患の進行と共に下降, 心理社会的ストレス, 生活様式の乱れにより下降を示し, 高年者は若年成人と比較し日内変動が少ない. 高年者は配偶者の死亡時に17-KS-S下降, 長期にわたりその低値の持続がみられた. 高年者は若年者に比較し適応能が低いが, 生活様式の改善の事例では17-KS-S上昇がもたらされ, 適応能を高める工夫と可能性が示された.

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