日本食品工業学会誌
Print ISSN : 0029-0394
新形質米胚乳澱粉の性質
巨大胚米,香り米,高アミロース米,低アミロース米,大粒米について
不破 英次朝岡 正子新谷 宏高重松 利典大柴 正之井ノ内 直良
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1994 年 41 巻 6 号 p. 413-418

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抄録

1988年から1991年に栽培,収穫された13種類30試料の米の胚乳より澱粉を調製し,その特性を物理化学的方法により調べた.用いた米穀粒は巨大胚米,香り米,高アミロース米,低アミロース米,大粒米である.澱粉のアミロース含量は10%から30%の間であった.低アミロース米である道北53号と香り米であるサリークィーンは異なる栽培年によりそのアミロース含量がそれぞれ7%, 4%異なっていた.北海道で栽培されたものと高アミロース米であるホシユタカの澱粉はその糊化温度が低く,また,栽培年の違いによる糊化開始温度の差はサリークィーンにおいて最大であり, 5℃であった.ホシユタカの澱粉は75℃における溶解度が他品種のものより大きかった.また,低アミロース品種の澱粉は高い膨潤力を示し,このことはこれらの澱粉の吸水能が高いことを示唆している.

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