日本食品工業学会誌
Print ISSN : 0029-0394
国産大豆糖質含量の普通畑・水田転換畑栽培間差異
国産大豆の品質(第20報)
平 春枝田中 弘美斎藤 昌義
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1990 年 37 巻 8 号 p. 602-611

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抄録

(1) 北海道農業試験場(5品種),東北農業試験場(13品種),北陸農業試験場(9品種),新潟県農業試験場(7品種),愛媛県農業試験場(5品種)において, 1980年に各品種をそれぞれ普通畑と転換畑で栽培し,得られた種子の全糖,遊離型全糖,遊離糖類を測定した.
(2) 転換畑大豆は普通畑に比べて全糖,遊離型全糖,ショ糖,ガラクトピニトールBの各含量(グループ1の糖類)が高く,ピニトール,グルコース,ガラクトピニトールA,ラフィノース,スタキオースの各含量(グループ2の糖類)に低い傾向が認められた.しかしながら,多くの早生品種,または十勝長葉,ネマシラズ,白毛9号,鼠〓,滝谷の系統を引く品種においては,グループ1, 2(ガラクトピニトールAを除く)の糖の変化に,逆の傾向が認められた.
(3) 各種糖質含量への品種と栽培条件の影響を寄与率よりみると,愛媛を除き品種の影響が全糖,遊離型全糖シヨ糖,ラフィノース,スタキオース含量に大きく,栽培条件の影響がガラクトピニトールAにおいて大きかった.

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