日本食品工業学会誌
Print ISSN : 0029-0394
大豆蛋白の射出成形
五十部 誠一郎野口 明徳
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1988 年 35 巻 7 号 p. 471-479

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抄録

2軸エクストルーダーと射出成形用金型によってDSFの射出成形を試み,成形物について微細構造等を検討した.
(1) 金型の形状に充填・組織化した成形物を得た.金型温度0, 50℃においては成形物側面部に充填方向に走る繊維性の層状構造が認められ,中央部においては多孔質構造であった. 150℃においては側面部の繊維性構造は顕著ではなく,多孔質構造が全体に認あられた.
(2) 繊維性構造の成因は充填時の金型温度,冷却速度及び材料移動速度に影響される金型壁面との剪断であると考えられる.
(3) 従来の押出し成形における繊維性発現も同様なメカニズムと考えられ,全体に繊維性を有する構造の押出し物を得るにはその厚みに限界が有ると考えられる.
(4) SDS電気泳動より各蛋白画分の反応度合が異なり,金型の温度が高温であるほど可溶成分の減少が著しい.
なお,本研究の1部は日本食品工業会第34回大会及び化学工学会北海道大会シンポジウム「化学工学と食品にて発表した.

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© 社団法人 日本食品科学工学会
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