日本食品工業学会誌
Print ISSN : 0029-0394
炊飯過程における糊化度について
松永 暁子石田 信昭貝沼 圭二
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1985 年 32 巻 11 号 p. 797-803

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抄録

(1) 加熱経歴の異なる炊飯過程の糊化度を追跡することにより炊飯のよい条件を検討した。
(2) 急速加熱は緩慢加熱に比べ昇温中の糊化度の進行はおくれるが,仕上がり飯では差はない。
(3) モデル実験による米粒の糊化度の限界は,60℃・10時間で18%, 70℃・5時間で80%, 80℃・5時間で94%, 90℃・2時間で98%, 100℃・1時間で98%となった。
(4) 60℃で20分保ち米に十分に吸水させたのち,急速に加熱する二段昇温加熱による炊飯の結果は,糊化度の向上と官能検査によるよい食味の結果を得た。

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© 社団法人 日本食品科学工学会
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