日本食品科学工学会誌
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モデル揚げ種を用いたフライ油の着色と劣化
古賀 秀徳利根 尚子村本 信幸桜井 英敏片山 脩
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1997 年 44 巻 9 号 p. 666-670

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抄録

ガラス繊維濾紙に塩化ナトリウム,グルコース,サッカロース,アルブミンそしてアミノ酸(グリシン,リジン塩酸塩,アラニン,ロイシン)の水溶液を浸透させモデル揚げ種を調製し,それを使ってフライ油の着色と劣化との関係について検討した.
その結果,リジンを除いたアミノ酸区は,着色が最も激しく,その着色は他のモデル揚げ種とは異なり,特徴的に赤方向への着色であることがわかった.これは,アミノ酸とフライ油の劣化により生じたカルボニル化合物間のアミノカルボニル反応により,褐変物質を生成するためと考えられた.そこで,その褐変反応にフライ油中のカルボニル化合物が消費され,COVやAn. Vに反映せず,低値を示すことが推測された.

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© 社団法人 日本食品科学工学会
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