日本建築学会論文報告集
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共同利用型病院 (医師会病院) の類型化と診療特性に関する研究
青木 正夫友清 貴和
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1982 年 312 巻 p. 100-108

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抄録

1)専任医を複数常駐させている[I]グループの病院は, 登録医だけでは供給できない医療を提供することを目的としている。即ち, 登録医の技術だけではカバーできない, より高度の医療を提供する場合と, 診療所不足により, 欠損している医療をも補おうとする場合がある。この目的のため, 入院患者の診療には, 登録医と専任医が共同で当っているし, 緊急時には紹介なしでも入院を認めている。紹介なしの入院は, 全患者の約15%に達する。入院患者は高度の看護・手術を要するものが多く, 40才〜60才の年齢層に分布している。手術では当地域に, ニーズを満足するための人材・医療設備をそろえる条件が不足していることが, 大きな原因である。これらの問題解決には, 公的病院のオープン化, 病院設立に対する公的資金の導入など, 経済面からのテコ入れと, 広域的医療圏全体で整合性を持つような, 共同利用型病院相互の機能補完や, 共同利用型病院と他の基幹病院とのネットワーク化を考える必要がある。

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© 1982 一般社団法人日本建築学会
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